世界台商会聯合総会 李芳信総会長インタビュー

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「台商」とは海外で活躍する台湾人商人のこと。その台商をまとめている世界的組織が世界台商会聯合総会だ。台商の媒介となるべく、全世界を飛び回る李芳信総会長に世界台商会聯合総会に関するお話を伺った。

 

世界台商会聯合総会李芳信総会長
世界台商会聯合総会李芳信総会長

 

Q: 世界台商会とは

A: 世界各国に「台商会」という商業組織があるわけですが、台湾と中国大陸の台商会以外は全て世界台商会聯合総会に属しています。全部で180の地方商会があります。アメリカには38団体。マレーシアには7団体。日本にも6団体ありますね。この地方商会は68の国と地域で展開されています。南北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、オセアニア、アジアの6大陸に分布しているわけですが、その中で組織規模が大きいのはアジアと北アメリカです。世界台商会はその6大陸の台商会のなかの頂上に位置しています。

Q: 世界台商会の目的

A: 私は第19代の総会長です。今期は「台商の国際化」をスローガンにしています。我々は海外の台商ですが、台湾の台商は充分な国際化がされていないと認識しています。私はもともとはマレーシアの台商です。日本や、チリ、南アフリカ、フランス、ベルギーなどにも台商がいます。これらの会員は全てが台湾人ですが、台湾に住んでいる人はいません。だからこそ、台湾、そして台湾に在住している台商の国際化に協力していきたいのです。これが世界中の台商が持つ共通の役割だと思っています。

Q: 台湾との強い絆について

A: 我々は台湾で生まれました。この土地を愛することは自然なことです。海外で事業に成功しましたが、921台湾大地震(1999年)や88水害(2009年台風8号被害)の際にも台湾に戻って援助や支援をしています。寄付や台湾の国際化の促進のほか、外交部も我々の支援を奨励しており、政府の外交面でもお手伝いをしています。

Q: 世界台商会の役割と特徴

A: 同時に異なる国や大陸の異なる文化背景や経営環境、ひいては異なった法律背景も知ることができます。違った見方や意見の中からどのように最大公約数を引き出すかを養うこともできますね。たくさんの人と切磋琢磨し、信頼できる方法を導き出せば、事業の拡大や人生の価値を高めることに大きな意味があると思います。我々も日本やアフリカ、ヨーロッパの人が考えることに対して「なぜ、こんな風に思うんだろう。不思議だなぁ」と思うことがあります。生活に対する姿勢や金銭感覚、教育、エコに対する概念がまったく異なっています。だから世界台商会は世界の人たちがお互いに知り合いになる場所ですね。

日本もマレーシアや台湾など、世界各地に工商会があると思いますが、世界規模でつながっているのは、世界台商会の特徴だと思います。会員皆さん同士が友人関係になって、ビジネスをする場所ということは、いい人がいれば紹介しますし、逆に要注意人物がいればそれも教えます。こういうことはあまりはっきりと言えない人が多いですが、台商会はそういう役割を持っています。台商会の機能として、詐欺被害を予め防止するというのも大事なことですよ。

----ありがとうございました。